観客と近い場所に長渕が座り、いよいよライブがスタートした。落ち着いた照明の下で、「RUN」や「とんぼ」、「乾杯」など不動の人気を誇るヒット曲を、小編成のアコースティックバージョンで披露。最初は「緊張する」とはにかんでいた表情も次第に柔らかくなり、曲が進むにつれ額や首筋に汗が光り出し、歌声にも力が増してくる。まるで全身でギターを弾いているような力強いストロークと、熱い想いの込もったシャウトを響かせる長渕自身と会場の変化を、4Kカメラが克明にとらえていた。演奏とともに観客の表情もところどころにしっかり映ることから、非常に近い距離で演奏を聴いていることがよく分かる。試写会場の音声は前方のスピーカー4台のみのシンプルなステレオ構成だが、ストレートにギターとボーカルの音を伝えており、ライブの雰囲気に近いものを、試写会でも感じられたのではないかと思う。
最近は音楽以外の言動でも注目される長渕剛だが、改めて“歌い手”としての魅力が感じられるステージだった。8月22日には富士山麓で10万人オールナイトライブを控えているが、7月26日の4K放送も、普段のライブとは少し異なる新しい長渕の一面を、家庭で味わえるものになりそうだ。なお、放送に先駆けてBSスカパー!で、ロングインタビューなどを交えた特別番組「俺たちの長渕剛 ~Road to Fuji~」(15時30分~)もオンエアされる予定。