続いてストリンガー氏から紹介されたのは3D技術。4Kデジタルシネマや、撮影用のカメラ、家庭用テレビに至るまで「3D Universe」を展開する同社は、Blu-ray 3D対応が予告されているPlayStation 3について、ソフトウェアアップグレードを10月までに行なうことを明らかにした。さらに、「来春には3D VAIOもデビューする」としたほか、世界中の多くの国で3D対応製品の購入者に、Blu-ray 3Dの「マイケルジャクソン THIS IS IT」や「アリス・イン・ワンダーランド」を提供するという特典を付けることも発表した。
また、ソニー・ピクチャーズの今後の劇場用3D映画については、「Resident Evil afterlife」(「バイオハザード」新作)や、「スパイダーマン」、「Men In Black」の新作などを用意しているという。
そのほか家庭用の3Dコンテンツでは、テレビ向けとしてディスカバリーとIMAXと共同で展開している3Dチャンネルや、ESPNと協力したスポーツ番組、モーションコントローラ「MOVE」を使ったゲームコンテンツを紹介した。
欧州における3D関連製品の拡大に向け、10月より「Panasonic 3D Innovation Center」を設置することも明らかにしており、業務用3Dカムコーダ/モニターや、IPTVのVIERA CASTなどの取り組みを含めて「新しい3Dワールドの創造」を目指すという。
152型の4K2Kプラズマディスプレイ
その他にも2010年秋の新製品として、「世界最大の3Dディスプレイ」とする4K/2K解像度の152型プラズマ「TH-152UX1」を投入。また、3D対応のBlu-rayプレーヤー「DMP-BDT100」をはじめとする3D対応のBlu-rayシアターシステムも紹介。壁掛けも可能なスリムなサウンドバーを使ったモデル「SC-BFT800」のほか、トールボーイ4本とセンター、サブウーファで構成する「SC-BTT755」、コンパクトなスピーカーを採用する「SC-BTT350」がそれぞれ発売される。
そのほか、3DメガネについてもL/M/Sサイズを用意する新製品「TY-EW3D2」が紹介された。こうしたハードウェアのラインナップ充実と、前述のようなコンテンツの強化を含め「Now Is The Time To Buy 3D」(今が3D製品の買い時)とアピールした。
また、SXRDシアタープロジェクタのスタンダードモデル新機種「VPL-HW20」も登場。フルHDのSXRDパネルを搭載し、明るさは1,300ルーメンで、アドバンストアイリス3を搭載し、コントラスト比は8万:1。なお、3Dには対応しない。
HW20のコントラストの改善は、新しいSXRDパネルによるもの。画素数は720pプロジェクタの2倍以上となる620万画素。映画コンテンツのスムーズな表示も可能としている。
レンズは All Range Crisp Focus (ARC-F)レンズ。1.6倍のマニュアルズームを搭載する。デジタル映像処理部は8つの異なるステージで構成され、HD/SD映像それぞれに最適化。コントラストや騒音の改善にも貢献しているという。
本機の再生対応フォーマットはFLAC(96/24まで)、WAV、WMA、WMA Lossless、MP3、MPEG-4、AAC。デジタル音声入力端子は同軸/光/USBの3系統。USB端子からの96kHz/24ビット音声入力にも対応する。DLNA 1.5にも準拠しており、デバイスクラスはDMP(Digital Media Player)だけでなくDMR(Digital Media Renderer)にも対応している。
マランツ社のKen Ishiwata氏の企画による“KI PEARL LITE”シリーズのSACDプレーヤー、プリメインアンプがお披露目された。ドイツでの発売は9月から開始され、ともに1,200ユーロで販売される。会場にてKen Ishiwata氏に新製品の企画意図を訊ねることができた。
オリジナルの“KI PEARL”シリーズ
新製品“KI PEARL LITE”シリーズ
サイドパネルはブラックのハイグロス仕上げ
Ken Ishiwata氏が企画に携わる「KIシリーズ」が昨年30周年を迎えたことを記念して誕生したのが「KI PEARL」シリーズだった。限定版オリジナルモデルとして、昨年発売されたSACDプレーヤーとプリメインアンプは、それぞれが2,800ユーロという価格設定だったが、“KI PEARL LITE”はオリジナルモデルのパフォーマンスをより広範なオーディオファンに楽しんでもらえるよう開発したモデルであるとIshiwata氏は語る。筺体はカッパーシャーシとハイグロスフィニッシュのサイドパネルのコンビとなり、ボディのメインカラーをゴールドとブラックから選択できる。
Blu-ray 3D再生対応のプレーヤーやシアターパッケージも展示される。「HR550」はBlu-ray 3Dの再生に対応するほか、本体にデジタルチューナーとHDDを搭載し、デジタル放送の番組録画も楽しめる。「BD590」は「BX580」は再生専用の3D対応BDプレーヤー。いずれのモデルもNetCastやDLNAに対応する。
タブレットPC新製品の紹介は東芝EMEA社Digital Life Products and Services General Manager、Marco Perino氏が行った。「FOLIO 100」はAndroid OS 2.2を搭載した、奥行き14mm、重さ760gのコンパクトなタブレット型端末。NVIDIAの統合型プロセッサ「Tegra 2」を採用し、7時間連続駆動を実現している。HDMI/WiFi/Bluetooth/3G通信をサポートし、1.3メガピクセルのウェブカメラも内蔵している。10.1インチの液晶パネルはマルチタッチ操作に対応しており、フルFLASH対応のウェブ閲覧が行える。 SDメモリーカードスロットも装備している。
3D戦略に関する説明は東芝EMEA社Computer System General ManagerのThomas Teckentrup氏が担当した。家電製品については3D対応のテレビ、2D/3D変換技術。3Dゲームに取り組むという。「ディスプレイ、BDプレーヤー、PCやポータブルデバイスなど様々な商品形態で3Dを楽しめるようにしていきたい。第4四半期の早い段 階でBlu-ray 3D再生対応のプレーヤーも投入する」という。